医療情報を統合したうつ病の治療最適化に資するシステムの開発

医療情報を統合したうつ病の治療最適化に資するシステムの開発

Development of a system for optimizing depression treatment through integration of medical information

うつ病の治療最適化を追求

うつ病の治療最適化とは

未来志向型の治療

慶應義塾大学医学部 精神・神経科学教室では
最先端の技術と叡智を集約した「うつ病治療の最適化」を目指す研究を行っています。

最先端の技術 × 多層的な情報収集

「うつ病治療のベストプラクティスを追求」するために、患者さんの脳MRI画像や体の動きなど、様々な角度から情報を得ます。

さらに、飛躍的に進歩した最先端の技術を用いて、このような多層的なデータを収集し、治療へ活かします。

多層的な情報を得た後はAIを用いた分析が行われ、AIから医師へ最適な治療方法の選択肢を提案します。

AIを駆使した最適な治療方法の選択支援

パーソナライズされた「個の治療」の確立に向けたうつ病研究

うつ病にはこれまで標準的な治療が行われてきましたが、ひとりひとりに合った「テーラーメイド治療」の確立を目指します。

本研究が目指すもの

パーソナライズ化された うつ病の最先端治療

ひとりひとりの多層的な情報、AIによる支援ツール、医師と患者両者による検証

多層的な情報に基づく治療反応予測モデルの作成
多層的な情報に基づく治療反応予測モデルの作成
最適な治療選択を支援するツールの作成
最適な治療選択を支援するツールの作成
有用性を検証するための臨床試験の実施
有用性を検証するための臨床試験の実施
これまでのうつ病治療

平均的な患者さんへ標準的な治療

その治療が合う人、合わない人がいるのでは?

これからのうつ病治療

患者さんを特定の因子によって分類し適した治療

その人に合った治療が選択される

研究の流れ

疾患の多層的な理解 ~ 研究の目的及び目標とする成果

1.治療反応予測モデルの作成

現在実施されている研究のデータを活用し、さらなる情報について追加取得を行います。

うつ重症度・認知機能・患者特性・気質などの臨床症状や、脳のMRI画像や顔の表情などの画像、音声、ウェアラブルデバイスを用いた活動情報などを多層的に解析し、機械学習による寛解予測モデルを作成します。

治療反応予測モデルの作成

2.治療最適化(治療選択支援)ツールの作成

機械学習による多層的な情報収集をもとに、情報処理から導かれる最適な治療法の提供を行います。

寛解予測モデルの導入、治療反応の確認、次の治療の助言等を行います。

系統的レビューやガイドラインの知見も導入します。

治療最適化(治療選択支援)ツールの作成

3.治療最適化ツールの有用性の検証

若手医師、患者さんを対象として、ツールの可能性と有効性を検証します。

治療最適化ツールの有用性の検証_1
治療最適化ツールの有用性の検証_3
治療最適化ツールの有用性の検証_2
機械学習による治療反応予測モデルの推奨

臨床症状や表情、ウェアラブルデバイス、音声、脳MRIなどの情報をAIが学習、最適な治療方法を提案

協力機関にてツール利用開始

ツールを実際に利用していただきます

有用性の検証

・臨床情報の入力

・推奨する治療方法のフィードバック

治療者に結果をフィードバック/臨床判断にて治療を選択

・対象患者の寛解率が増加するか?

・推奨された治療がどの程度実施されているか?

研究者

研究開発代表者

菊地 俊暁(慶應義塾大学医学部 准教授)

研究開発分担者

中川 敦夫(聖マリアンナ医科大学 教授)

岸本 泰士郎(慶應義塾大学医学部 特任教授)

野田 賀大(同 特任准教授)

中島 振一郎(同 専任講師)

平野 仁一 (同 専任講師)

※本研究は、AMED障害者対策総合研究開発事業「医療情報を統合したうつ病の治療最適化に資するシステムの開発」の一環として行われています。

慶應義塾大学医学部 精神・神経科学教室の詳細はこちら

慶應義塾大学 医学部精神・神経科学教室

〒160-8582
東京都新宿区信濃町35